標記の件につき、JDが憤懣やるかたなさを勢いよく申し上げます。
Buzzり過ぎて、事の発端を探すのに苦労する事態になってきましたね。増田※が国会に上ったことも、予てからの増田愛読者であった立場としては感動的でしたが、私自身も育児の当事者で、「保育園落ちた」の経験者であり、興奮をもってこの件を眺めています。
※増田とは:はてなが提供する匿名専用ブログのサービス全体や個別の記事、あるいはその筆者のこと
事の発端はこの投稿
増田のこの記事が、騒動のはじまりでした。 >> 保育園落ちた日本死ね!!! http://anond.hatelabo.jp/20160215171759
育児クラスタからすると、皆ずっと思ってたことを言葉にしてくれて、しかもその表現が直截で、「よく言った!」と迎えた人も多かったことと思います。私もその一人です。
分かっている人と分かっていない人が混戦してて地獄絵図
育児の問題は、全体像や文脈を理解している人がほとんどいないのだなというのが、悲しい風景でした。
- 人生設計が甘いのでは? ← ならばあなたは設計しているのか。この先の国レベルの人手不足時代を認識しているか。不足するならだれが働けば良いのか。働けて意欲もある人が働くにはどうすれば良いのか。
- 認可外に預ければ? ← クッソ高いんですよ。
- そもそも保育に欠ける子どもを預かる福祉制度であって全勤労者の子どもを預かる想定にしているはずもなく云々 ← そんな建前を悠長に言っている場合ではなく(要改善には同意ですが)
- 自分で育てるのが母の愛情では ← 黙殺したいけど一応言うと、愛情があっても認可外に預けるお金があっても、一般的な集団保育に入れたいという教育方針の親もいます。理由は、こんなこと口走る人にはちょっと込み入ってて難しい話かもしれないけど、ザック入り言うと、「普通」を経験するのも大事なことだからです。あと、父親どこいった。
- 口汚い ← 当たり前だよ。もう顕在化してどんだけ経つ問題だと思ってんだ。あと、直面してしまった家庭は、死活問題なんだよ。大企業正社総合職が一年足留め食らうとなると、年収ン百万が受け取られないことになり、つまり相応の勝ちが企業に提供されない。
ほとんどが、すっこんでろ、って感じの意見ですが、逆ハラスメントではみたいな予防線を張られたりするので、個別の場面ではなんとも言いようがないところです。経験がないことを軽々に論じてるべきではないのは、どんな分野でも当たり前のことでは。
自分に関係ない問題は知らないし何言っても良いという態度を取り続けるとこうなる。
最近、こういう記事を書きました。 >> 認知症男性JR事故 世間の反応と判決、関連法 司法書士試験受験生がまとめた今回の事件 – 法は不識を許さず
超長いので読まなくてもいいのですが、要するに、人手が足りなくて、介護というものが壮絶で、誰も悪くないのにン百万からの損害が生じ、なおかつ訴訟になって最高裁まで何年も拘束されるような事態が起きている、というのが、私の言いたいことです。
認知症の人が事故に巻き込まれるというのは当然、これまでもあったでしょうが、人手さえあれば認知症はともかく事故発生自体が蓋然性が下がるし、下がらなかったとして割合的に小さければ、そのことで社会が痛めつけられる度合いも、相対的に小さいわけです。
グランドデザインなき国の中枢が恐ろしいし想像力なき隣人が怖い
人口問題は、誰が気にしなければならなかったんでしょう。
誰かであり、全員です。
中でも、高齢者に3万円ばらまくことを決めつつ、この手のことには本筋でないことで切り抜けようとする政治家の責任は重いと思います。逆に、投票に行かなかったり、何となくで無難な投票先に入れた国民一人一人というヤツも悪かった。
そして、自分には関係ないとばかりに、とりえあず子育て世帯を叩いてみる、想像力のないフツウの人たちが本当に、ね、どうにかしたいです。どうするんだろう。自分は逃げ切れる見込みがあるからいいのかな。それとも、どうにもならない予想を立ててるから、やけっぱちで、周りの足を引っ張ろうとしているのかな。
ウチの子は、認可に入れませんでした。リアル#保育園落ちたの私だ、です。でもって、認可外に預けて復職した職場の風当たりは、素敵でしたとも。お陰で、ソッコー脱サラして起業し、今はこのように悠々自適にブログライフです。だからって、もう関係ないからと知らないフリしてイイですかね。そんなわけないハズです。
もし読んでいる人が、育児の当事者でも、攻撃者でもないなら、攻撃者予備軍にならないでください。折に触れ、機会を捉えて、人手が足りないのに保育園が足りない、というこの状況に、異議を唱えて下さい。
人気がないであろうけれど個人レベルでできる抜本的解決法。そして同時にグランドデザインの無さを少しは補う。
最後に、折角のこのブームに乗っかっておきながら、敢えて人気がないであろう意見を言います。もしあなたが今あるいは将来、育児当事者で、預け先に困っているなら、引っ越しを考えて下さい。
私は#保育園落ちたの私だ、でしたが、今はもうその危険に再び遭うことはしばらくなさそうです。つまり、私は今、保育園が足りている地域に住んでいます。
地方移住も検討してほしい
保育園が足りないのは、都内や、地方でも主要都市に限られます。
今は、それ以外の場所でも、携帯があり、ネットがあり、Amazonがやってきます。「都会」も片道30分、あるいは1時間です。今ならまだ、そうです。このまま、切り捨てられ続けるとどうなるか分かりませんが。
保育園不足が一つの「切り捨て」なら、すでに労働力が足りないのに放置される地域があるのも一つの「切り捨て」です。
別に正義を行うのは義務ではないかもしれませんが、明日あなたにその報いは降りかかるし、だいたい、よく考えてみて下さい。そんな悪いことじゃないですよ。地方に住むって。
以下の件につき、JDから生意気申し上げました。
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